ハンナの戦争
ギオラ・A・プラフ〔著〕 松本清貴〔訳〕
ホロコーストを生き抜いた少女ハンナのノンフィクション物語。
ポーランド東部グリニャーニ村で平穏な日々を送るユダヤ人少女ハンナ。だが、ナチスドイツ軍の侵攻と、ナチスに加担するウクライナ義勇軍の残忍な仕打ちがユダヤ人を苦しめ始める。やがて、全てのユダヤ人はゲットー(ユダヤ人居住区)へと強制移住させられた。
家族と離れ、孤独の身となったハンナは、自由を探し求める旅に出発する。ポーランド、ハンガリー、チェコスロバキア、オーストリア、イタリア、そしてイスラエルと旅を続け、生きるために戦った。ハンナの息子ギオラ・A・プラフは母の半生をたどり本書を書き上げる。
「どんな暗闇にも希望の光はきっと射し込む――そのことを知ってほしい。それが本書に込めた私の願いです」(著者あとがきより)
2011/9/23 週刊朝日の書評に掲載されました
2011/7/20 宗教新聞の書評に掲載されました
★日本図書館協会 選定図書★
―― 目次 ――
ホフベルグ家の人々
ヨーロッパ地図
イスラエル地図
主要な登場人物
家族 Family
初恋 First Love
悪夢 Nightmare
雷鳴 Thunder
地獄 Hell
勇気 Courage
抵抗 Resistance
復讐 Revenge
希望 Hope
秘密 Secret
告発 Betrayal
逃避 Escape
宿命 Fate
幻覚 Hallucination
解放 Liberation
旅路 Voyage
青春 Blossom
結婚 Marriage
試練 Tribulation
生命 Life
著者あとがき
用語解説
訳者あとがき
〔著者紹介〕
ギオラ・A・プラフ(Giora A. Praff)
1952年10月9日、イスラエル、ハイファ生まれ。本書の主人公ハンナの息子。73年、第四次中東戦争に、戦車指揮官として従軍。エルサレムのヘブライ大学、イタリアのパドゥア大学、テルアビブのサクラー医科大学を卒業後、83年のレバノン戦争に従軍。ジョンズ・ホプキンス大学シナイ病院にて、内科専門医として勤務し教鞭を執る。現在はカリフォルニア州とエルサレムのキブツでの二重生活を送りつつ、アメリカ医療協会(AMA)の医師として、また国際赤十字(IRC)の人道主義医師として、ネイティブ・アメリカンならびに開発途上国への医療援助活動に従事。グルジア、アルメニア、カンボジア、タイ、ベトナム等、世界各地での多方面にわたる医療および博愛主義活動に対し、多くの賞を受賞。
〔訳者紹介〕
松本清貴(まつもと きよたか)
1965年1月1日生まれ。福岡県出身。CCSF陶芸彫刻科中退。89年に渡米し、サンフランシスコの広告代理店『Total Design Concepts』にカメラマンとして勤務。商業写真撮影に携わりながら建築・映画関係を主とする日本の雑誌に寄稿。01年、サンフランシスコ市内の路上生活者を撮り歩いた写真詩集『風のかけら』を自費出版。同年、東南アジアを半年間放浪した後、帰国。数々の職を経て、作家・井上篤夫氏に師事し、小説翻訳を学ぶ。ハンガリーとオーストラリアにもそれぞれ1年間在住。