イスラエル外交史

SBK-174 [ISBN978-4-89586-169-4]
3,300円(税300円)
冊

DETAIL

 イスラエル外交史
 エマニュエル・ナヴォン 〔著〕 滝川義人 〔訳〕



2026年、著者エマニュエル・ナヴォン氏が駐日イスラエル大使に就任されます。

ユダヤ人の外交史を古代から現代まで幅広く網羅した包括的な作品。​ヘブライ語聖書に始まり、古代イスラエル王国、世界中に離散したディアスポラの時代、近代シオニズム運動、そして現代イスラエル国家の外交政策に至るまで、ユダヤ人と他国(他民族)との関係を詳細に追っている。

本書は、ユダヤ人の外交史を「信仰(Star)」と「力(Scepter)」という2つの象徴的な軸で描き、ユダヤ人の外交政策が理想主義と現実主義のバランスによって成り立ってきたことを強調する。数千年に及んだディアスポラ(離散)と絶え間ない迫害の歴史の中で、ユダヤ人が生き残り、成功を収めることができたのは、強い歴史的使命感と、その使命を現実世界に絶えず適応させてきたからである。

イスラエルが建国されて以来、イスラエルについての印象は「戦火の絶えない国」「好戦的な国」などというものだろう。しかし、外交という側面で歴史を紐解いていくならば、「どうすれば他国と友好的な関係を築けるか常に模索し続けている」というもう1つのイスラエルの姿が見えてくる。

さらに本書の特徴は、これまであまり扱われなかった地域を取り上げていることである。通常、イスラエルの外交史を論じる場合はパレスチナ問題を中心に据え、アメリカや周辺アラブ諸国との関係に限定したケースが多かった。本書では、欧米やロシアはもちろんのこと、中国、インド、日本をはじめとする東南アジア、アフリカや南米などの国々との関係を1つずつ取り上げ、交易、軍事協力、エネルギー政策など様々な分野での協力関係、あるいは敵対的な状況などを分析している。

また、各時代の地図が計18枚掲載されていて、古代から現代に至るプロセスを理解するのに大いに役立つ。

原書(英語版)は2020年に出版されているが、その後の5年間で中東情勢は大きく変化した――2020年のアブラハム合意、2023年10月に勃発したハマス・イスラエル戦争、それに連動したレバノンのヒズボラとの戦闘、史上初となったイランからの直接攻撃、さらにシリアのアサド政権の崩壊――日本語版では、筆者がこれらの事件とイスラエルの動きを加筆し、最新版となっている。

目次

日本語版の発刊によせて
緒言――イツハク・ヘルツォグ大統領
序

第1部 ヘブライ語聖書におけるイスラエルと諸国民

第1章 モーセ五書
第2章 預言書
第3章 諸書

第2部 ユダヤ人の外交――古代から現代まで

第4章 王国から隷属の身へ
第5章 無力と権限付与の狭間で
第6章 シオニストの論争
第7章 第一次世界大戦後の国際システム下におけるシオニスト外交
第8章 イギリスの委任統治とそのジレンマ

第3部 イスラエルの国家再建とアラブ・イスラエル紛争

第9章 冷戦初期のイスラエルと中東
第10章 周縁戦略とその結末
第11章 イスラエルとアラブ諸国
第12章 イスラエルとパレスチナ人

第4部 世界の中のイスラエル

第13章 ヨーロッパのパラドックス
第14章 友好国アメリカ
第15章 ロシアの謎
第16章 アジアへの長い道程
第17章 アフリカへの道
第18章 ラテンアメリカのジレンマ
第19章 国連
第20章 ディアスポラの挑戦
第21章 イスラエルとエネルギーの地政学
結び

巻末注
参考文献
索引
訳者あとがき

《掲載地図》
地図� .瀬咼任肇愁蹈皀鵑硫�国(紀元前1000~925年)
地図�◆.罐瀬籠販�の崩壊(紀元前722~586年)
地図�� ハスモン朝ユダヤ王国(紀元前165~63年)
地図�ぁ’�心党の反乱(紀元66~73年)
地図�ァ.僖譽好船覆離罐瀬篆諭糞�元636~1880年)
地図�Α‖莪貅\こβ臉鐐阿涼翕譟.�スマン帝国
地図�А.汽ぅ�ス・ピコ協定(1916年)
地図�─‖莪貅\こβ臉鏝紊涼翕譟々餾殤¬舛琉冉づ�治
地図�� ピール分割案(1937年)
地図�� 分割決議(1947年)と休戦協定(1949年)
地図�� アルファ計画(1955年)
地図�� 六日戦争(1967年)後のイスラエル支配地域
地図�� イスラエル・エジプト間の再配備協定(1975年)
地図�� 暫定合意(1995年9月28日)
地図�� キャンプ・デービッド提案(2000年)
地図�亜.�リントン案(2000年)
地図�院‥餌犒弉茵�2005年)
地図�押.�ルメルト案(2008年)

〔著者紹介〕
エマニュエル・ナヴォン(Emmanuel Navon)
イスラエルを代表する国際関係問題の専門家の1人。1971年パリ生まれ、1993年イスラエルへ移住。パリ政治学院(Political Sciences PO)卒業。ヘブライ大学で博士号(国際関係論)取得。国防大学、ヘルツェリア学際研究センター(IDC)等の講師を務め、現在テルアビブ大学政治学部および大学院アバ・エバン外交講座講師、エルサレム戦略・安全保障研究所(JISS)の主任研究員、ヨーロッパリーダーシップネットワーク・イスラエル(ELNET・ISRAEL)会長。著書・論文多数、日本語の出版は本書が初。

〔訳者紹介〕
滝川義人(たきがわ よしと)
ユダヤ人社会、イスラエル、中東軍事史の研究者。長崎県諫早市出身、早稲田大学第1文学部卒業、元駐日イスラエル大使館チーフインフォメーションオフィサー。

著書
『日本型思考とイスラエル』(ミルトス)
『ユダヤ解読のキーワード』(新潮社)
『ユダヤを知る事典』(東京堂出版)
訳書
『近代アジアのユダヤ人社会』(明石書店)
『図解中東戦争』(原書房)
『ケース・フォー・イスラエル――中東紛争の誤解と真実』(ミルトス)

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