モサド最強のスパイ ―― エンジェルと呼ばれたエジプト高官 その謎の死を追う

SBK-162 [ISBN978-4-89586-165-6]
2,530円(税230円)

DETAIL

モサド最強のスパイ ―― エンジェルと呼ばれたエジプト高官 その謎の死を追う
ウリ・バル=ヨセフ〔著〕 持田鋼一郎〔訳〕




2007年夏、ロンドンで1人のエジプト人が謎の死を遂げた。その男はかつてイスラエルの「奇跡の情報源」と言われたスパイだった。彼はなぜ宿敵イスラエルに寝返ったのか。そしてなぜ死ななければならなかったのか。数々の謎に包まれたこの人物の真実に迫る!

解説「ヒュミントを描いた傑作」(佐藤 優)より
本書は、1973年10月6日に勃発した「ヨム・キプール戦争」(第四次中東戦争)をめぐるヒュミントを描いた傑作だ。サダト大統領の側近アシュラフ・マルワンはイスラエルのスパイで、エジプトがイスラエルを攻撃するという確実な情報を提供した。本書の副題にも言及されている「エンジェル」というのは、マルワンのコードネーム(偽名)だ。インテリジェンスの歴史に残るこの事件をウリ・バル=ヨセフ氏が丹念に解明する。バル=ヨセフ氏は、元インテリジェンス・オフィサー(諜報局員)なので、この特殊な世界の内在的論理がよく分かる。

―― 目次 ――

序章 葬儀と謎
第1章 カイロ、一九四四〜一九七〇年――始まり
第2章 ロンドン、一九七〇年――接触
第3章 一九七一年四月――軍事諜報局の介入
第4章 一九七一年五月――始動
第5章 世界中のスパイ機関の夢
第6章 サダトの特使
第7章 エジプトの戦争準備
第8章 最終準備とローマでの間奏曲
第9章 安息日明けの署名
第10章 鳩小屋計画――警告と戦争
第11章 アシュラフ・マルワンの栄達と没落
第12章 「シティ」の天使、暴かれた義理の息子
第13章 堕ちた天使

謝辞
解説 ヒュミントを描いた傑作 佐藤 優
訳者あとがき

〔著者紹介〕
ウリ・バル=ヨセフ(Uri Bar-Joseph)
1949年イスラエル生まれ。1990年スタンフォード大学で博士号取得。イスラエルのハイファ大学政治学部名誉教授。
イスラエル軍事諜報局の情報分析官として諜報で長年実務を積んできた。
安全保障、諜報、アラブ・イスラエル紛争に関する著書多数。
著書
『諜報の成功と失敗――比較研究』(Intelligence Success and Failure: A comparative Study)

〔訳者紹介〕
持田鋼一郎(もちだ こういちろう)
1942年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒業。歌人。紀行・伝記作家。翻訳家。
著書に『エステルゴムの春風』(新潮社)
『ユダヤの民と約束の土地』(河出書房新社)他
歌集
『欅の歌』(不識書院)他
訳書
『マサダの声』(ミルトス)
『ナバテア文明』(作品社)他多数

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