イスラエル ―民族復活の歴史
ダニエル・ゴーディス 〔著〕 神藤誉武 〔訳〕
2000年前に国を滅ぼされ、離散の運命をたどってきたユダヤ民族。イスラエルの地をホームランドとして住み続けることができたのはほんの一握りの人々だけだった。
度重なる迫害にも耐え抜き、近代ではポグロム、ホロコーストという試練を乗り越え、彼らはどのようにイスラエルの地に戻ってきたのか。本書はそのシオニズムの起源と歴史を繙いていく。
イスラエル建国という「奇跡」はどのように起きたのか。
また、現在直面している様々な問題はどこから来ているのか。
建国の父テオドール・ヘルツェル、独立を宣言したダヴィッド・ベングリオンをはじめとする様々な人物を通して、
イスラエル国が復活し現在に至った歴史を分かりやすく紹介する、イスラエル近代史の決定版!
佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)推薦
21世紀に日本国家と日本人が生き残るためにもイスラエルの歴史をひもとくべきと思う。
中東情勢や国際政治に関心を持つ人だけでなく、日本の現状を憂え、未来への展望を切り開きたいと考えているすべての人に本書を薦める。
―― 目次 ――
序 人類のある壮大な物語
第1章 文学と政治
――郷土を求めるユダヤ民族
第2章 生まれ故郷のどこかに
第3章 シオニズムは、イデオロギーではなく対話である
――二十世紀初頭におけるシオニストの分派
第4章 夢の実現にかすかな光
第5章 バルフォア宣言
――イギリスがユダヤ国家を承認する
第6章 どこにも行き場がない
第7章 イシューヴはイギリスに抵抗し、アラブ人は分割案と戦う
第8章 独 立
――国家が生まれる
第9章 夢から現実へ
第10章 イスラエルが国際舞台に登場
第11章 ホロコーストと向き合う
第12章 六日間の戦争が国家に決定的な影響を及ぼす
第13章 占領という重荷
第14章 ヨム・キプール戦争
――「通念」の崩壊
第15章 革命の中の革命
――イスラエル政治右派の興隆と復讐
第16章 シオニストを手本に
――パレスチナ民族主義の勃興
第17章 滞る和平プロセス
第18章 ユダヤ国家におけるユダヤ文芸復興
結び バルフォア宣言から一世紀
――「ユダヤ民族のための民族郷土」
<巻末付録>
・人物解説 ・用語解説 ・イスラエル国独立宣言
・イスラエルの歴代大統領と首相
・イスラエルの政党と権力バランスの変動
・ユダヤ民族 ・イスラエル年表
巻末注
索引
訳者解説「諸国民の希望の光」
〔著者紹介〕
ダニエル・ゴーディス(Daniel Gordis)
1959年、ニューヨーク生まれ。エルサレム・シャレムカレッジ副学長兼コレット名誉フェロー、作家、評論家、講師。1981年、コロンビア大学政治学科卒業。1984年、米国ユダヤ神学校修士課程修了、ラビの資格も取得。1992年、南カリフォルニア大学宗教学科博士課程修了(社会倫理学/法哲学)。ロサンゼルス・ユダヤ教大学ズィグラー・ラビ学校初代学部長。1998年にイスラエルに移住。2007年までエルサレムのマンデル・リーダーシップ研究所に務める。ユダヤ思想、政治潮流、イスラエルの歴史や社会問題などに関する著書多数。全米ユダヤ図書賞受賞。イスラエルやユダヤ人の時事問題に関してニューヨーク・タイムズ、ニュー・リパブリック、ハアレツ、エルサレム・ポスト、ブルームバーグ・ビュー等に寄稿多数。イスラエルや北米を中心に世界中で講演している。
「世界で最も影響力のあるユダヤ人50人」(エルサレム・ポスト)に選ばれる。エルサレム在住。
〔訳者紹介〕
神藤誉武(じんどう よぶ)
1972年、東京生まれ。1997年、エルサレム・ヘブライ大学聖書学科・タルムード学科卒業。1999年、ハーバード大学大学院中近東言語・文化学部修士課程修了。2006年、米国ユダヤ神学校大学院聖書・古代セム語学科博士課程修了、Ph.D.取得。ニューヨーク大学ティクバ研究所に勤務するかたわら、ニューヨーク大学、同大学ロースクール、ユダヤ神学校、シンガポール国立大学で教鞭を執る。イスラエル・バルイラン大学およびシャレム・カレッジ客員教授。専門は聖書学、ユダヤ学、宗教哲学。専門分野での論文多数。
訳書
『わが親愛なるパレスチナ隣人へ』(ミルトス)